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頭が真っ白になったときに戻る場所を、先に決めておく

W09は、わざと崩す回です。講師が横から想定外の答えを返したり、原稿を1行抜いたり、収録の途中で相手が黙ったりします。そして、止めません。

受講生には評判の悪い回ですが、修了後に一番よく名前が出るのもこの回です。W08の本番で真っ白になった人ほど、ここで手応えを持ち帰ります。

止まること自体は、問題ではない

放送の現場で困るのは、止まった人ではなく、止まったあと何をしていいかわからない人です。聞いている側は、2秒の沈黙を事故だとは思いません。10秒の沈黙は事故です。この差を埋めるのが「戻る場所」です。

本番前に決めておくのは、話す内容ではなく、詰まったときにどこへ戻るかです。

配っている3つの戻り方

  • 相手に返す。「いまの、もう少し詳しく聞かせてください」。対談なら常に使えます。自分が考える時間を、相手が喋る時間に変えられます。
  • 直前の言葉を繰り返す。「……という話でしたね」。時間稼ぎに見えますが、聞いている側には整理に聞こえます。1人喋りのときはこれが主力です。
  • 今日いちばん言いたい一文に飛ぶ。本番前に必ず1文だけ決めておいて、迷ったらそこへ飛びます。順番が前後しても、聞いている側は気づきません。
木の机の上に置かれた古いストップウォッチ
W09では、崩れてから戻るまでの秒数を毎回計ります。最初は12秒、終わる頃には3秒前後になります。

秒数を計ると、上達がわかる

この回では、崩れてから話が再開するまでの時間を毎回ストップウォッチで計ります。初回は10〜15秒、最後には3秒前後まで縮みます。緊張しなくなったわけではなく、戻り先が決まっているぶん迷わなくなるだけです。

受講生からよく言われるのは「噛む回数は変わらないのに、平気になった」。それでいいと思っています。噛まない人を育てる授業ではありません。

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